世界遺産「つぼ湯」 入浴方法解説と注意点 伝統1800年の白濁湯は足元湧出で最高のひと時を

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とうとう温泉が「世界遺産」になったと言う事で、和歌山県田辺市本宮町の湯の峰温泉に行って参りました。
つぼ湯は熊野詣の湯垢離場(ゆごり-ば)としてユネスコ世界遺産に登録されたのですが、とても小さく、2名ほどが入れる川岸の貸切風呂となっています。
日本最古の共同浴場とも言われる「つぼ湯」に入浴する場合には、その受付や入浴などでは、ちょっとしたコツが必要となりますので、注意点も踏まえて攻略法として詳しく解説してみたいと存じます。

湯の峰温泉

■温泉特徴

源泉名:湯の峰温泉?
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
成分総計:1.781g/kg?
pH7.2
白濁湯(7色に変化)透明度約20cm
加温なし・加水自由
循環なし・消毒なし
源泉かけ流し
露天風呂なし
シャワーなし
食事提供なし



■温泉ソムリエよりの情報

約92℃の源泉が毎分約30リットルにて、つほ湯の足元より自然湧出となっています。
底からの湧出のため、足が熱湯で熱くなると思っていましたが、大き目の玉砂利が敷いてあるようで、心配は不要でした。
ただ、源泉温度が90℃越えですので、湯温は、やはり熱めです。
そのため、壁際に水を注ぐことができるノズルがありますので、調整しながら入浴すると言う感じです。
よって、前に入った方が、たくさん加水していると、温泉も少し薄まっていると事になると思いますが、それでも、欲感はバツグンでした。
コクのある硫黄の香り、まったりするような湯ざわりと色合いと言い、約500湯これまで入浴してきたなかで、これだけの良湯に浸かっていると言う触感はなんとも言えず、日本に温泉多しと言えども、湯の峰温泉のつぼ湯だけだと思います。

今回、1月の平日午前中に訪問させて頂きまして、先客として日本人のご夫婦が1組で、約20分くらい待ちました。
私のあとには香港からのご夫婦がお待ちになり、15分で出ると英語でお伝えさせて頂いた次第です。
GW・お盆や連休など、混雑シーズンの入浴は困難かと思われます。

世界遺産「つぼ湯」

白い湯の華も豊富なのですが、温泉をよくご存じない方は、アカ(垢)と勘違いして、すぐに出てくることもありますので、順番待ちのため近くにて待機しましょう。
ちなみに、前の方が、加水してくれていたほうが、適温になっているため、長く浸かっていられることにはなります。
1番湯ですと、新鮮は新鮮ですが、10分間くらいは加水しないと入浴できないようですので、着替えなども含めると実質10分程度の入浴時間となります。

本当であれば、加水せずに入浴できるのがベストではありますが、これだけの伝統と良湯ですと、そんなこと、どうでもよくなります。
どうしても、水で薄めずに熱いお湯に入りたい場合には、かけ湯をたくさんしてから入ると、体が慣れて入りやすくなりますが、ヤケドしなよう、ほどほどにお願い申し上げます。

なお、白濁しているのは、多少、時間が経過しているためと考えられます。
そのため、源泉投入量によって、若干、色合いが変化することがあるため、1日に7回色が変化するといわれる7色の湯とも言われているのでしょう。
足元の玉砂利が見えるくらいの透明度でしたら、新鮮なほうだと存じます。
湯の峰温泉の公衆浴場の方は、加水が多いのか?、無色透明です。
なお、加水なしの「くすり湯」は、朝の温泉投入直後は新鮮なため無色透明ですが、昼くらいには劣化(酸化)してきて白濁となります。(劣化速度は遅めの印象)

指輪、ネックレスなど貴金属などは外して入浴しましょう。
硫黄成分で黒く変色してしまいます



■施設

つぽ湯に入浴する場合の受付は、離れたところにあり、公衆浴場の受付となります。
窓口で、今、何組待ちか?確認してください。
当日の先着受付順ですので、土日祝には2時間待ちと言う事もある模様です。(平日は比較的すいています。)
そして、券売機で、つぽ湯の入浴券を購入して提出すると、順番の番号札をもらえます。
貸切風呂ではありますが、チケットは人数分必要です。
ただし、1人でも貸切で入浴できます。

つぼ湯は、2名ほどが入れる程度の天然岩盤の湯船ですが、定員は4名となっています。

内部の様子は動画も4K撮影致しましたので、よければ、YouTubeよりご覧頂けますと幸いです。

完全貸切で、1回最大30分間と定められています。
ただし、30分未満(15分くらい)で、あがってくるグループもいますので、先客がいる場合には30分後と言う事ではありません。
よって、番号順に、近くにある東屋(ベンチ)にて、次の順番のグループは「待機」して待つと言う感じです。

世界遺産「つぼ湯」

待ち時間が長い場合には、温泉街のお店で生玉子を購入し、温泉口にて「ゆで卵」を作ったりするのも一考です。

近くにおらずに順番が来た場合には、後回しになります。
前の順番の方が、出たのを見て、自分が入ると言う感じですので、遠くには行かないよう、ご注意願います。

つぼ湯

前の順番の方が出たら、つぼ湯のドア付近に自分の番号札をかけて、中に入ります。
ちなみに、ドアにカギは掛かりません。
靴はドアの表に置いておけば、ハッキリと今はいっていますよと言うアピールにはなります。

つぼ湯

湯温が熱いので、壁側にある水のコックを回して、水を注ぎつつ、調整しながら入浴します。
水を止めると、数十秒後にはもう熱くなるような感じです。

カランがありませんので、石鹸やシャンプー類はなく、体は洗えません。
もちろん、タオル類は持参でお願い申し上げます。
30分は意外と短いですので、時間オーバーしないようご注意を。

出たら番号札を受付に返してください。

なお、つぼ湯に入った場合には、公衆浴場窓口のところにある「湯の峰温泉公衆浴場」(男女別)か、また離れたところにある「くすり湯」(男女別のほう)のどちらかを、もう1回入浴できますので、お見逃しなく。



湯の峰温泉に宿泊して、新鮮な朝の一番湯を目指すのも良いかと存じます。

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■訪問時料金

※執筆時点

制限時間30分

大人(中学生以上)770円
12歳未満 460円

営業時間は下記のとおりです。

朝6時~21時30分
先着順

公式サイト

湯の峰温泉

■アクセス

交通アクセスですが、JR紀勢本線の新宮駅より熊野交通または奈良交通の八木新宮特急バスに乗車して約60分。
駐車場は温泉街の入口に無料駐車場が完備されています。
熊野本宮大社までは、湯の峰温泉から北に延びている1.5車線道路経由で約20分です。
駐車場の場所は、当方のオリジナル地図にてご確認願います。
地図はカーナビ代わりにもご使用頂けます。

自然災害(水害)による被害も多い熊野です。
台風が通り過ぎたあとには、設備が破損するなどして入浴できないことも、しばしばありますので、要注意となります。

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