塩浸温泉~坂本龍馬とお龍が18日間逗留した新婚旅行先の日帰り温泉

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塩浸温泉は幕末の英雄・坂本龍馬が奥さんのお龍を連れて、日本で初めての新婚旅行をした際に、一番長く逗留した温泉として知られます。

坂本龍馬が慶応2年12月4日に、姉の坂本乙女に宛てた手紙には・・

吉井がさそいにて又両(フタ)りづれにて霧島山の方へ行道にて日当山(ヒナタヤマ)の温泉ニ止マリ、又しおひたしと云温泉に行。

とあり、しおひたし=塩浸温泉に逗留したことが証明されています。

塩浸温泉とは

塩浸温泉(しおひたしおんせん)は、鹿児島県霧島市の石坂川の渓谷沿いにあり、1806年(文化3年)頃に発見されました。
ケガをした鶴が温泉で癒していたことから「鶴の湯」と呼ばれるようになりました。

寺田屋事件で九死に一生を得た坂本龍馬は、西郷隆盛小松帯刀の薦めで鹿児島に渡ります。
そして、ケガの治療も兼ねて、1866年5月1日(慶応2年3月17日)に坂本龍馬・おりょう夫妻が訪れ、この時に夫妻が入浴したとされる小さな湯船が脇の川沿いに現存しています。
下記写真の左下にある湯船が、その当時の坂本龍馬が入浴した湯船です。

塩浸温泉

その後、1867年(慶応3年)、福山郷の岡本助八が浴場を設けると、戊辰戦争の負傷兵が湯治して効果があったと非常に有名になったそうで、湯口などに白色の固形物があったことから塩浸温泉と呼ばれるようになり、薩摩藩によって道路や温泉施設が整備されました。
入浴施設の周辺は塩浸温泉龍馬公園と言う小さな公園になっており「坂本龍馬・お龍新婚湯治の碑」が建立されています。

坂本龍馬・お龍新婚湯治の碑

■温泉特徴

塩浸1号(鶴の湯源泉)
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩温泉
源泉温度44.5℃
pH6.3
成分総計2.540g/kg

塩浸9号
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩温泉
源泉温度51.5℃
pH6.4
成分総計2.543g/kg

いずれも加温なし・加水なし
循環なし・消毒あり
掛け流し
露天風呂なし
シャワーあり(圧力弱い・流し放題・温度低い)
石鹸類なし
食事提供あり(軽食類が外の売店にて)



■温泉クチコミ情報

鹿児島空港からもクルマで20分ほどと比較的便利なところにある日帰り温泉で、なんといっても源泉掛け流しなので非常にお勧めです。
浴室には大き目で熱めの浴槽と、2人程の小さくてぬるめの浴槽があります。
この小さな方が鶴の湯源泉使用と言う事でしたが、非常に気に入りました。
よくお世辞で「良い温泉です」なんて言う事もありますが、お世辞抜きでいいですね。
今まで九州で入浴した日帰り温泉の中では1番です。
塩分がとても強く感じられるうえに、鉄分の臭いも漂っていて、僅かに濁り湯ですが、この濁りも湯ノ花の影響ではないニゴリ方です。
と言う事で、とてもお勧めできる坂本龍馬も浸かった温泉でした。
なお、鹿児島県は条例で塩素投入が必須となっているようですので、その点はご確認申し上げます。
なお、銭湯料金並につき、石鹸類はありません。
ボデイーソープとリンスインシャンプーセットは、受付にて50円で購入できます。

■施設

1969年(昭和44年)に牧園町営塩浸温泉センターが開設され、現在の建物は2010年にリニューアルしたものとなります。
温泉の建物でなく、トイレ脇にある資料館の受付(公園事務所)にて、料金を支払いますが、入浴料金は銭湯料金並でした。
男湯が「龍馬の湯」、女湯が「お龍の湯」と名付けられていますが、現在は週替わりになっているようです。

靴箱はカギなしです。
脱衣所はカゴ式ですので、貴重品類の管理にはご注意願います。
ドライヤーは1個ありました。

■訪問時料金

9:00~18:00(受付17:30まで)
※月曜日は16:30まで

大人360円
小学生180円

塩浸温泉

公式HPなし

■アクセス

公共交通機関の場合、鹿児島空港やJR国分駅から「いわさきバスネットワーク」の霧島いわさきホテルゆきバスに乗って、塩浸温泉バス停にて下車して目の前となります。
クルマの場合には、下記の地図ポイント地点となり、国道223号のわきに駐車スペースがあります。
地図は縮尺を変えてご覧頂けますと幸いです。

車の場合、危ないですので、早めにウインカーを出して駐車場に入ってください。

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