温泉の入浴マナーとその理由など

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温泉や銭湯の入浴マナーは色々ございますが、ここではどうして、その入浴マナーがあるのか?、なぜ入浴マナーを守らなくてはならないのか?と言う「理由」も踏まえてご紹介させて頂きます。

入浴前と入浴後には「水分補給」を

温泉ソムリエの私と致しましては、入浴する前にひと口、水を飲むと良いと存じます。
わざわざ水を買わなくても、脱衣所などに備え付けの給水器でも良いです。
そして、お風呂から出た後にも、充分に水分補給しましょう。
もちろん、脱水症状を防ぐためなどの理由があります。
裸のまま倒れたなんてならないように心がけたいところです。



浴室に入ったらまずは「かけ湯」をする

かけ湯は、体についているホコリなどの汚れを除去するだけでなく、いきなり熱いお湯に入る前に、体を「慣らす」と言う意味もあります。
最初の一杯は、心臓から遠い「足の指先」から掛けて、二杯目は足、そして、徐々に上半身へと「何杯も掛ける」方法だと、体にも優しくてお勧めです。
運動をしたあとなど、体が汚れている場合には、シャワーを浴びて身体を洗ってから、入浴しましょう。

長い髪の毛は「ゴム」などでまとめる

髪の毛に常に「空気」に触れているため、雑菌・ウイルスなどが付着していますので、湯船のお湯にできる限り髪の毛が浸からないように工夫しましょう。
もちろん、潜ったりしてはいけませんので、特に子供には事前にしっかり説明しておきましょう。(子供がお湯に潜ると中耳炎にもなりやすいです。)
細かいとところだと、メガネもお湯に入れない方が良いです。
レンズコーティングが熱で溶けてしまいます。

タオルは湯船に入れない

タオルをお湯の中に浸けてしまうのは厳禁です。
絶対にお湯の中にタオルを入れるようなことはなさらないよう、お願い申し上げます。
洗濯しており、一見綺麗なタオルでも、見えない空気中の雑菌・ウイルスが必ず付着しています。
特にレジオネラ菌を湯船に持ち込む原因にも挙げられていますので、絶対にタオルはお湯の中に入れないようにしましょう。
もし、タオルをお湯に入れている子供さんなどがおられましたら、注意したいところです。
そのお子様を含めて、みんなの健康を害しかねません。
また、オムツが取れていない乳幼児は浴槽での入浴を禁止している施設も多いですので、ルールを確認しましょう。

お風呂から上がる時は体の水滴をタオルで拭きとりましょう

浴室から脱衣所へ上がる際には、体に着いた水滴をタオルで拭きとってから脱衣所に行きましょう。
これは、脱衣所の床が極力濡れないようにして、他の方も快適に利用できるようにする為です。
特に若い方は自宅でしているように、拭き取らずに上がってしまう傾向があるかと思いますので、マナーある所を是非見せて頂きたいところです。

入浴マナーが守れていない方は、最近は日本人ではない「アジア系」の方々に多いように見受けられますが、残念ながら日本人の方でもマナー違反は見受けられます。
古くからお風呂を愛する日本人として、是非、見本となる入浴マナーで温泉などを楽しみたいものです。
下記では、その他、知っておくと良い温泉情報を掲載させて頂きます。

高濃度炭酸泉では静かに出入るする

高濃度炭酸泉では、人工的に「炭酸」を添加しており、入浴すると体中が細かい「泡」で包まれます。
しかし、波を立ててしまいますと、その泡も流れ飛んでしまう場合があります。
その為、炭酸泉に入る際と出る際には、できる限り静かに、お湯をジャバジャバと波を立てないようにしましょう。
もちろん、他の湯船でも、できる限り静かに入りたいところですので、泳ぐなんて、もってのほかです。

洗い場でのシャワーの取り扱い

シャワーのマナーは「自覚」が必要ですので、なかなか難しいのですが、まずは隣や後ろの人に、自分が使用しているシャワーが掛からないように注意しましょう。
と言っても、目をつぶって髪の毛を洗ったりしますので、難しいのですが、今、この向きでシャワーのお湯が遠くに飛んでいないか?と想像しながらシャワーをすると良いです。
かと申しまして、施設側が水量を絞って、シャワーの水圧を下げるのには大反対です。
なかなかシャンプーを落とせなくて、洗い場にいる時間も長くなりますし、腕も疲れてしまう他、結果的に頭皮にシャンプーが残って湿疹・皮膚炎の原因にもなるからです。
なお、利用者側としては、シャンプーなどをしたあと、自分の周りが泡だらけと言う場合もありますので、他の方などが滑ってケガをしないよう、席を立つ際に、周りにお湯やシャワーでお湯を巻いて、流してから離れたいものです。

酸性湯では短時間入浴にする

神奈川県では大涌谷温泉などが酸性湯ですが、酸性湯の場合は長湯は禁物です。
酸性の温泉は、飲むと歯も溶かしますが、温泉水そのものに殺菌能力があり、入浴することで皮膚を洗浄します。
要するに刺激が強い為、長く温泉に浸かっていますと、皮膚がかゆくなったりすることがありますが、殺菌しますのでアトピーには効果がある場合があります。
酸性湯で有名な温泉を訪問した際には、長い間、お湯につかったようで、脱衣所に上がったお子様が体が「痛い、痛い」と泣いている様子を拝見したこともあります。
特に、皮膚が薄いお子様はかゆくなりますし、アトピーやケガがあると皮膚にしみます=痛くなるので、最初は30秒だけ入浴して様子を見るなど、長く入浴しないように注意が必要です。
コツとしては、湯船から上がった際にシャワーを体に掛けて、温泉成分を取り除くと少しは改善します。

お風呂場や脱衣所では写真撮影厳禁

当たり前の事ですが、お風呂場(浴室・脱衣所)での写真撮影は控えましょう。
同性だから良いだろうと思っても、それは盗撮であり、他の利用者様に取っては大変迷惑な行為となります。
どうしても撮影したい時には、施設に許可を得たうえで、写真に写ってしまう範囲の人々に許可も得ましょう。
また、脱衣所では携帯電話を使用禁止としている施設もありますので、撮影や携帯電話使用のマナーを守りましょう。

お湯が熱くて入れない時は

神奈川県の日帰り温泉の大半は大丈夫ですが、山間部の鄙びた温泉や、銭湯などに行きますと、高温のお湯で、とても「熱い」場合があります。
そんな時は、その熱い温泉を、何杯も何杯も、とにかく何回も、体に「かけ湯」してみて下さい。
20杯、30杯でも良いです。
とにかくたくさん掛けますと、熱いお湯に体が少し慣れて、入浴しやすくなります。

タオルを頭の上に載せて入浴するのは意味があるの?

温泉や銭湯に行きますと、たたんだ「タオル」を頭の上に乗せて、湯船に浸かっている方を見ます。
私は、タオル乗せない派なのですが、タオルの頭に乗せるのは単にタオルの置き場に困ったと言う事ではなく、実は「のぼせ防止」には有効な方法なのです。
水(冷たい水)をタオルに含ませて、頭の上に乗せておくと、約40℃のお湯で暖まった体の血が、頭(脳)に届いたときに「冷却」する効果があり、のぼせ防止になります。

以上、温泉のマナーを明記させて頂きましたが、たくさんの方が入浴する場ですので、自分勝手な行動を取るのではなく、誰もが楽しくリラックスできるよう、お互いに気を使いたいところですね。